新しいことにチャレンジするためのノウハウや環境を提供し、未来をもっと良くする。
今年のLEAP DAYのテーマ「明日は変えられる気がする」には、withコロナ時代に突入した現代で、新しい何かに挑戦しようと思っている人の背中をそっと押して、勇気が与えられたらという想いが込められています。そんなLEAP DAYの思いに共感し、支援をしてくださっているソニーグループ株式会社から、立花さんにお話を伺いました。
立花誠さん
ソニーグループ株式会社
Startup Acceleration部門 Open Innovation & Collaboration部 Technology Development Team 統括課長
冒険的でチャレンジングな新しい技術を、商品やビジネスに変える
ーー昨年も今年もインタビューを引き受けてくださり、ありがとうございます!よろしくお願いします。
よろしくお願いします!
ーー昨年は聞けなかった、立花さんがソニーに入社した経緯を教えてください。
最初に入社したのは当時ソニーとスウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンとの携帯電話端末合弁会社だったソニー・エリクソン株式会社(現・ソニー株式会社 モバイルコミュニケーションズ事業本部)です。エンジニアになりたいという思いがあったのですが、具体的にどの会社に入りたいかの決め手がなく、条件を3つ挙げて就職先候補を絞り込みました。
ーー元々エンジニア志望だったんですね。3つの条件が気になります!
電気系の技術を幅広く扱えそうなこと、東京近辺で勤務できること、イメージがかっこいいことの3つです。その条件で目に付いたのが当時のソニー・エリクソンでした。
ーーイメージがかっこいい!(笑)
(笑)。 その条件のうち2つはただのミーハーなのですが、学生時代は自由気ままな生活を送っていて会社で働くイメージが湧いていなかったので、とにかく働いてみて、自分に合う仕事は何なのかを考えようと思いました。結果的には、ソニーの自由な社風が自分には合っていたので良いめぐり合わせだったと思います。
ーーエンジニア職に就きたいと思うようになったのはなぜですか?
元々、子供の頃からモノを作るのが好きだったんです。図画工作とか、プラモデルとかミニ四駆が大好きでずっと趣味で作っていました。
ーーそうなんですね。
また、学生時代は音楽をやっていて、楽器を弾いていたんです。大学時代は音楽と工作の趣味が重なって、楽器のエフェクターを自分で作るということをやっていました。 そこから、自分の好みや趣味の延長で、電気エンジニアになりたいと思うようになりました。
ーー「ソニーの自由な社風が自分には合っていた」というのも気になります。
自分で何かを生み出して動かすのが好きなのですが、最初に配属された研究開発の部署が、自分のアイデアでやってみたいと思ったことにチャレンジさせてくれる環境だったんです。 もちろん、仕事で研究開発に勤しみながら、好き勝手にプロトタイプを作っていました。
ーー素敵な環境ですね!ソニー入社後のキャリアも教えてください。
10年ほど携帯電話・スマートフォンの電気設計エンジニアとして従事したのち、2016年にソニー(現ソニーグループ株式会社)に異動してSony Startup Acceleration Program(SSAP)に技術戦略担当として参画しました。 エンジニア時代の初期は先行開発の部署に配属されたのですが、1年目から海外企業とのオーディオ技術開発の主担当を任せてもらいました。その後Xperia初号機の立ち上げに参画し、現在は、SSAPにて技術戦略を担当しています。
※ SSAPとは
「Sony Startup Acceleration Program」はソニーが持っている起業のノウハウや開発環境を、新規事業を創りたいと考える全ての人に提供し、新規事業の立ち上げから販売・拡大までをサポートするプログラムです。
- ソニー株式会社 Sony Startup Acceleration Program公式サイトより
ーーエンジニアからキャリアチェンジしたんですね。
まさに、冒険的でチャレンジングな新しい技術を、どうやって商品やビジネスに変えるかというところの支援を始めました。
現在の取り組みについてですが、SSAPに来たモチベーションのひとつに、技術だけではなくビジネスを立ち上げるためのノウハウに触れたい気持ちがあったんです。そのノウハウをたくさんの方に伝えたいという思いから、ノウハウを学びながら事業計画を作るためのWebアプリStartDashの開発・運営も担当しているという流れです。
困っている人を助ける時、助けた人から感謝された時にやりがいを感じる
ーーエンジニアからキャリアチェンジした立花さんが学び続けていること、学び続けたいテーマはありますか?
ビジネス全般の勉強はし続けたいです。今の社会構造でいうと、一芸に秀でる人が生まれがちだと感じます。それを極めていくことで見えるものもあるけれど、もう一つ武器があると可能性も広がると考えているので、技術+ビジネスの立ち上げ方を掛け合わせることで自分の価値も上げていけるのかなと。
ーー2つの武器を持つということですね。
もう一つ追加で学ばなければいけないのが、人を動かすスキルです。いわゆるマネージャー職として人に指示を出すということではなく、周りを巻き込むヒューマンスキルを身につけたいと思っています。
ーー周りを巻き込む力を身につけたいと思ったきっかけはありますか?
技術やアイデアを形にして世に出していくためには、ビジネススキルも必要、人を巻き込んで助けてもらう能力も必要、と学んでいくうちに気がつきました。
ーー立花さんが仕事にやりがいを感じる時はどんな時ですか?
とてもシンプルですが困っている人を助ける時、助けた人から感謝された時ですね。 お客様に対しても、仕事仲間に対しても、困っている人がいて何か自分が助けられることがあれば、できるかぎり助けたいと思って仕事をしています。
ーー感謝されると嬉しくなりますよね。
おせっかいな性格かもしれませんが、とにかく助けるためにやれることをやる、その結果相手に喜んでもらえる、そこにやりがいを感じます。StartDashのユーザーから「新規事業の進め方を学べて助かった」とか「事業計画書をかんたんに作ることができた」などのメッセージをもらうと本当に幸せな気持ちになります。
ーー開発する側から支援する側になって気づいたことはありますか?
大きな気づきとしては、自分が当事者として開発していると、前のめりになりすぎて物事を冷静に見られなくなりがちだということです。やろうという思いは大切だし行動力も大切。ただ、一歩引いてみた時にあれが足りないと気づくことができるなと。
ーーなるほど。
以前の自分だと、これをやりたい、作りたいと思ったらそのまま突き進んでいましたが、支援する側として新規事業に取り組む人たちと接する中で、うまくいっているときもそうでないときも、ときどき立ち止まって様々な視点で状況を見つめなおすことを意識するようになりました。没頭することもありつつ、第三者の視点も取り入れつつ。そこの重要性や必要性があると感じています。
自分の意思や覚悟があいまいな場合はほぼ確実に失敗する
ーーこれまでの仕事で大変だったことは何ですか?どう乗り越えましたか?
正直なところ、まだ乗り越えられていないかもしれませんが、過去の反省としてあるのは、自分の意思や覚悟があいまいな場合はほぼ確実に失敗してきたということです。
特に会社員をやっていると陥りがちなのが、自分が主担当にもかかわらず、最後は上司なり、偉い人が決めてくれると思ってしまうというケースです。とにかく自分で意思と覚悟をもって自立的に仕事を進めることが大事だと思います。
ーー「自分の意思や覚悟があいまいな場合はほぼ確実に失敗してきた」に関しては具体的にどういうことですか?
何百人もの組織の中で仕事をしていると、上司なり、偉い人に聞けば答えがあるという風に思ってしまいがちです。ある程度の選択肢や、それぞれのメリット、デメリットまでは調べるけど、最終的な意思決定を人に委ねてしまうことがあるなと。その結果、プロジェクトが思いもよらない方向に進んでしまって最終的にとても悔しい思いをする。
これまでも、新規事業をやりたいにもかかわらず、そういう風に人に決定を委ねてしまう方を見たことがあります。自分が立ち上げようとしている新規事業なのであれば、どちらが良いでしょうか?と偉い人に聞く時点でNGだと思っています。
ーー最後に「明日は変えられる気がする」と実感したエピソードを教えてください。
以前StartDashを使って事業計画を考えるワークショップをした際に、明確に解決したい社会課題とそれを解決するアプリのアイデアを持った中学生とお会いしたことがあります。
ーー何と、中学生!
アイデアを事業として世の中に広げていくという部分はあまり考えられておらず、進め方も分からないという状態でしたが、課題を解決したいという強い思いと熱心な勉強姿勢に感動したのを今でも覚えています。
ーー素晴らしいですね。私もワクワクします。
その時思ったことは、彼女と同じように社会課題を自ら解決したいという強い思いを持った人が世の中にはきっとたくさんいて、そういう人たちが未来を変えていくのだなということと、SSAPやStartDashでの活動を通して、新しいことにチャレンジするためのノウハウや環境を提供することで、未来をもっと良くするためのお手伝いができそうだということです。
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